台湾師範大学に語学留学

中国の「普通話」と「台湾華語」
中国語を勉強して思ったアレコレ。

台湾華語と中国の普通話は、どちらも北京語ベースですが少しだけ違いがあります。
中国北方の北京とずっと南に位置する台湾では、
中華圏は広いので、方言も色々、日本の方言とちがって、中国の方言は全く別言語と言っていいほど。
とはいえ、関西弁も関東弁も東北弁もすべて日本語ですから。

言葉は、ただの伝達のツールではなく、アイデンティティも持ち合わせた物なので、
知識の乏しい外国人があれこれ定義づけるのは、時としてその言語を使う人たちをあまり良くない事なので、
ここに書かれている文章は、「絶対」ではありません。一個人の中国語を勉強している日本人が思った事です。


■文字
中国で使われている文字は簡体字、台湾で使われている漢字は繁体字です。
また、発音記号は、中国ではアルファベットを使ったピンイン、台湾では注音符号(私はボポモホと呼んでます~。(・∀・))を使います。
私が通っていた師大ですが、一番初級のクラスで注音を習います。
ただし発音を書く試験ではピンイン、ボポモホどちらで書いてもかまいません。
師大の学生が使っている教科書は、中級中以降にあたる視聴華語③は、繁体字と簡体字がどちらもありますが、
それ以前の①と②はすべて繁体字で書かれています。発音記号は、①~③全てにピンインとボポモホがあります。

最初は私も「ボポモホの勉強、面倒くせえよ~」と思ったものですが、
好き、嫌いに関らず、一年ボポモホと接してきたので、最近は書き間違えますが(コラッ!!)読めるようにはなりました。
ちなみに、ほとんどの台湾人はピンインが読めません。
(多分、日本でいうローマ字にあたる教育を受けていないという関係だと思います。今の子供はわかりませんが、大学生だと、みんな習っていません。)
なので、初級で台湾人さんと言語交換をするなら、ボポモホは知っていたほうが絶対いいです。
というか、中国語を大学とかで習ったことがなく、ぴょんと師大で勉強始める人は、嫌でもボポモホを習うんですがね~。
そのあと第一課でニ~ハオ。(笑)
ニ~ハオまでが異常に長かったなあ・・・(´;∀;`)


■台湾なまりについて
これを気にする人は結構いますが(私もそうです。)
老人や地方の人と会話をすると、台湾なまりがすごいんだよね。ぶっちゃけ聞き取りにくかった~。(´Д`)
でも、日本人の老人が日本語を話しても声がこもっていたりして聞き取りにくかったりがあるから、国は関係ないかなあ~と思う。
それと、台湾朋友が言っていたのですが、「台湾人の話す国語は、台湾語の発音の影響を受けている。」とのことです。
彼女の言うとおり、アメリカ人の話す中国語はアメリカ人独特の発音をするらしいし、
日本人の話す中国語も、モロ日本人のしゃべる中国語らしいので(笑)、母国語の影響ですね~。(´∀`)

また、台湾は日本やオランダの植民地時代を経て、言語規制を押しつけられた歴史が長いので、台湾華語の歴史や浸透率が深くはない。
ただ、今は、台湾語の話せない若い子が増えている時代。
ひょっとすると、これからどんどん台湾なまりがきつい人は減っていくのかもしれません。
台湾なまりの人が減るということは、台湾人のアイデンティティである台湾語が失われつつあるということなら、
それはとても悲しい事なのではないでしょうか。

ちなみに台湾人の発音でなまりがきついのがzh、ch、sh、rの反り舌発音です。
これらの発音を台湾なまりの強い人がどう発音するかが分かれば、台湾なまりの問題はクリアです。
沢山台湾人さんと話せばクリアできる問題なので、大丈夫☆
中国は広いから。使い分けや聞き分けというのは、台湾のみならず中国人と付き合っていくうえでも必要な事だと思います。

あと、語尾にerを付ける巻き舌は、台湾人はほぼ使いません。
んでも、師大では、台湾なまりの発音で話すと発音を注意する先生もいます~。
なので、ちゃんと練習して発音する癖をつければ台湾で勉強していてもあまり問題ないです~。


■ピンインと注印の発音の違い
子音がピンインの「ui」を、ボポモホでは「ei」に当たる文字を使っています~。
たとえばごめんなさ~いの「対不起」だと、北京語では「ドゥイブチ」と聞こえますが、
台湾華語だと「ドェイブチ」と言っています。でも、中国人の中国語を聞いていると、微妙~に「ei」と聞こえる事もあるし。
北京や北方の人は「ui」多めで、南方の人は「ei」が多いのかもしれません。
まあ、どっちで喋っても、ちゃんと相手に通じてます。


■文法の違い
まず私について説明を~。台湾に来る前に、私はNHKのラジオ中国語講座を聞いて中国語を勉強していました。
で、そのテキストを台湾人に見せると、ほとんどの人が「こんな言葉使わないYO~」とテキストを批判してきます。
理由の一つに、文法がたま~に北京語とちがうんですね~。
一番私の印象に残っている言葉を紹介すると、

「あなたに電話します。」
中国「給你打電話。」
台湾「打電話給你。」

「日本に帰ります。」
中国「回日本去。」
台湾「回去日本。」




とはいえ、師大のテキスト内の文法や先生の教え方は、は中国の北京語に基づいて作ってるっぽい。
なので、たまに教科書通りに発音しても、台湾人に「それ違うYO!!」といわれます。
そういう事があると学生が困るので、だいたいの先生が台湾で実際に使われている発音と中国の発音の両方を教えてくれます。
ただし、教科書に書かれている単語の発音自体が辞書と少し違っている部分もあります。
それと、一番差を感じるのは軽声の言葉です~。
たとえば、涼しいの「涼快lian2kuai4」の、快は、学校ではそのとおりkuai4で習ったのに、
ラジオ講座だと軽声語になってちょっとkuai3に近い言葉に聞こえます~。

とりあえず、中華圏は非常に広いです。方言、なまりなんてあって当然です。
英語だって、イギリスとアメリカの発音はちがうし、中国語もそうです。
だから、私はこれらの違いについて、最初は気にしてましたが、最近は気にしないようにしています。
(もちろん、今まで習ってきた言葉と違うわけですから、最初は死ぬほど気になりましたさ!!今でも気になることもありますさ~。)
聞き取れなかったりしたら、台湾なまりとかのせいにするのではなく、まず自分の勉強不足を呪うことです~。
そして、開き直って、台湾華語と北京語を両方覚えるのが理想なんじゃないかなあ。
知識は多すぎて困ることはありませんからねえ。(笑)

ただ、検定は注意が必要。

また、もし検定などを前提にせず、実践で使いたいと思うのなら、どこで自分の覚えた中国語を使うかも選んでおく必要があると思います。
台湾で使うなら台湾国語を積極的にやったらいいと思うし、中国で使うなら中国漢語をやったほうが、使っていて楽だと思います。
きれいな北京語にこだわりつつ台湾で中国語を勉強するというのは、
「日本の標準語は東京の言葉、日本語やるなら美しい東京の言葉を覚えなければいけない、なまりなんてダメダメ!!」
という考えで、大阪に留学するような感じで、実に不毛だと思います。(笑)
だって、その土地でその土地の人と接したら、言語の影響なんて無意識のうちに受けることになるし、
関東の人たちののくせや、若いコが勝手に作った最近の言葉を「正しい日本語」だと思いこむほうが、よっぽどやばいと思うよ。(´Д`)

だから、erの巻き舌とかも、あれはあくまで中国人の癖として知っておくだけでいいと思うのです~。
それを使う、使わないは自分の好みで、それより会話による交流を楽しむのが一番なんじゃないじゃな~★(´∀`)

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